開催にあたって

毎年開催されているIKTTクメール織物研究所代表 森本喜久男氏による「シエムリアップ 現地からの報告」
今年は全国数ヶ所に交え滋賀県、それも地元で開催させていただけることとなりました。
日本はもとより世界中から氏のもとへと連日のように人が学びに行かれています。
学ぶものは、染色や織の技術、持続可能な村づくりについてだけでなく、 それらを形とされた氏の眼差しや心構えといったものであると思います。

会場には、今年も洪水に見舞われたIKTT伝統の森へのカンパ箱を設置させていただきます。
みなさまどうぞご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

交流会では、森本さんと一緒に鍋をつつきながら語らいましょう!


森本さんのfacebook上で今回の洪水の様子が投稿されていましたので転載いたします。
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10/3
「自分の部屋が洪水になり、村の自家発電機、そして予備の発電機も併せ故障」

10/4
「濁流に肩まで水に浸かりながら、何とか家にたどり着きました。途中で、水の中を歩きながら、魚を捕まえるおまけ付きで。笑 思っていたよりも、水足は速く、今朝には夕方ごろにと思っていましたが、昼過ぎには水位は2メートルに達しました。この地域の自然の地形が、より平地化した結果のように思います。そして、人間の安易な欲で作られた道路を、濁流が再び突き破り元の自然の地形に戻すというドラマが、また再び有りました。3度目、懲りない人間を自然があざ笑っているように思います。 ちょうど、盆休みの連休ですから、終えて月曜日には再び家や作業場を丸洗いしなければならない。大仕事が待っております。今は何よりもこの水が早く引いてくれることを、待つばかりです。」

10/5
「昨夕よりは、水は20センチほどは引いたかもしれない、それでもまだ、1メートルを超える水があることには変わりがない。 カンボジア・シェムリアップ・アンコールトム郡チョッソム村にある、IKTT「伝統の森」にて。あいかわらず洪水の中に浮かぶ、高床式の家。電源は、ソーラパネルからバッテリーに蓄えた電気を利用している。」
「Siem Reap town also flooded.. 伝統の森は洪水から二日目を迎える、そしてその水はシェムリアップの街へ。夕方には、オールドマーケットの南、シェムリアップ川に面する、IKTTのショップも道路を越えた水が、浸水し始めた。織機や道具類の移動も、近隣に住むスタッフが手分けして、実施。明日には、2011年の再来のような、洪水の危機がやってくる可能性が。伝統の森の北、バンティスレイ寺院の地域にあたらしい洪水の水が来ている。しばらく、洪水は引きそうにない。どうにかして、と誰かに言いたい。涙」

10/6
「家の周りにはまだ水のある、伝統の森から、おはようございます。 シェムリアップの街、IKTTの前の水も少し引いてきているようで、ホッとしています。 雨も止み、水浸しになった自分の部屋の片ずけをやり始めています(ボサノバを聴きながら)。」

10/7
「Flooded again and again...2013 おはようございます。 洪水も去り、恒例の家や作業場の丸洗いが始まりました。お盆明けのため、まだ戻って来ていない人も多く40人ほどで手分けしながら。今年は、水の流れが変わったようで、アンコールワットの西の地域も洪水の濁流におかれたようです。そのエリアからの織手、まだ仕事には出て来れないようです。被害が最小限であること、願います。」

10/8
「床上浸水した作業場や家の、丸洗いはほぼ終えた。今日は、濁流で流された、鉄媒染の大きな壺を、かついだり。道具類や染め材など、かたずけながら丸洗い、みんなで手分けしながらの、いち日。 写真の糸車、もう20年近く前に調査で村をまわりながら出会い、使われなくなった物を、譲って頂いた。少なくても内戦前、50年以上は経たもの達。ときには、プノンペンの骨董屋さんで見つけたり、総数で200を超える古い糸車が有る。美しい、細かい模様が彫られていたり、漆が塗られたものも。細かい職人の腕と材も含めて、今では手に入らない。この糸車、実はとても重い木で作られている。その重さが、実は糸にテンションを与える、素晴らしい先人の知恵。軽い普通の木で形だけまねても、その効果は出ない。古い道具類と共に、わたしの、というかカンボジアの伝統の知恵、宝物。」